ワルン・ロティ日記4

ワルンロティ日記5が始まりました。今後ともよろしくお願いします。
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2018.07.31

夏休みは8月の末ですよ〜、今週ではありませんよ〜& ローザさんのパン焼き

お休みは今週ではなく8月の末と9月ですよ〜。   あまりにも暑くて、いまは8月とおもってしまう現象が・・みうけらえます。 ワルンロティの入口に「8月31 9月1日 2日 お休みします・・と書いてあるのですが、 「今週末がおやすみなのねえ・・・」と、言われてしまって・・。 ほんとうに、6月からず〜っと暑くて、何月かわからなくなっちゃいますね。   さて、セア村での朝、 朝ご飯をいただいて、バタバタしているうちにすっかり9時近くになってしまって・・ はやくパン屋をあっちこっちみたかったのだけど・・。 まずは、へネロスおじさんに教えてもらった、「朝焼いてすぐに市場に売りに行く、ひとりでやってる男性」のパン屋さん に、 でもまあ、遅かった!もうすでにいなくて、扉はしまっていて。 しょうがないなあ・・。   じゃあ、そう!前の日に「12時までならいる」って言われていたけれど、へネロスおじさんと 製粉所に連れて行ってもらっていたので、いけなくなってしまった、パン屋へ。   そうしたら、焼いていたの。 というか、前日の訪問をおぼえていてくれて、(日本人なんてめったに行かないモノね)   身振り手振りで 「パン生地はここにあるのよ。これから焼くのよ」 と、木の桶にかぶせた布の下のパン生地をみせてくれます。   「パン焼くの見ていく?」と。ジェスチャーで。   なぜかポケトークが役に立たないのです。たぶん室内だからでしょう。 彼女は英語はつかわないし、こちらはスペイン語はわからないし。 でも、心は通じたみたいです。   それで、見せていただくことに。   しばらくたって木桶からパン生地を、計りで計りながら、 作業テーブルの上白い布を敷いて、その上に並べていきます・・ ひとつ、ひとつ、丁寧に・・というかポーンと投げながら。   全部で60個ほど。 並べたあとは、白い布でテーブルを覆って、さらに毛布をかけます。 しばらく生地を落ち着かせて発酵を促します。   それから、窯の蓋を開けて、火が燃えているのを確かめて、 灰を窯の左奥に・・。   しばらくして、「わたしは日本では日本の小麦粉で焼いているのです」と ポケトークをがんばらせて伝えてみると、 「小麦? これよ」と、 手前にあった大きな木のボックスを開けてくれました。 中には小麦粉がはいっていて、ボックスの上がフルイになって、 そのボックスの下に篩った小麦粉が落ちるようになっています。   あれ?そういえば、昨日、へネロスさんが案内してくれたパン屋にあった あの小麦粉の袋がない・・きっとあの製粉会社の小麦粉はあの袋に入って届くはずなのに・・   なんと「水車で挽くのよ」と、 え〜、あの製粉会社の粉じゃないんだ・・セアなのに・・。   「ここから15㎞ぐらい先の、カルバリーニョに水車小屋があるの」と。   そこまで行くのか、届くのか、30代にみえる女性だけど、 こだわったパンを焼いている方のようです。   きっとこのセア村のパン屋の中でも、セアのパンのルール(伝統的な石窯、セアの小麦を入れること、楕円に大きなクープの形、天然酵母・・・)は、守りながらも、それぞれのこだわりがあるんでしょう。   若くみえます。30代でしょうか。 名前を書いて、とノートを差し出すと「ROSA」と。   前の日のパン屋の女性も、ひとりで焼いていました。 そして、このローザさんもひとりで仕込、1人で窯にいれ・・お客様にパンを手渡し・・。   バックミュージックはありません。 オオワダのようにラジオも聴いていません。   パン生地はひとつひとつ木ヘラに載せて、窯に入れていきます。 ハジから順に・・   ふと彼女は新聞紙を手にとって窯に入れます。 「見て!」と。 窯の奥で、新聞紙が燃えています。   温度がさがらないように、燠火をたやさないようです。 外は30度を超えているのに・・。   ぜんぶパンを窯にいれて、蓋をして、あとは焼き上がるのを待つだけ? とおもったら、 その後もメンテナンスが必要なようです。   窯の蓋をあけて、ひとつひとつ、木ベラに載せていきます。 木ベラが細いので、まだ生焼けのパン生地は、ヘラの左右に割れていきます。 それゆえ、パンにできたクープ(切れ込み)は深くなります。   中まで火がよく通るようにとの算段でしょう。   そうして、しばらく置いておいて、1時間後には焼き上がりです。   窯に入れた後に、もっとクープを開かせる、そんな焼き方はどこの国でもみたことがありません。   パン焼きの方法は多種多様、目的は、よいパンを焼くこと。 国によって、村によって、人によって、工夫されて続いていくのですね。