ワルン・ロティ日記4

ワルンロティ日記5が始まりました。今後ともよろしくお願いします。
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2017.12.25

ガリシア地方の伝統パン、夏のレポート続き ポコン頭は難しい

7月のサンチャゴ・デ・コンポステーラでのお話のつづき。
ロスカという伝統的なパンは、ドーナツ型。でもバゲット型の時もあるとか。
  これは250gの強力粉と125gの地元の粉と125gのライ麦パンでひとつの生地。塩を10g、2%に15gの生イースト。 300gのぬるま湯を「水道から」、 「寒い時はぬるま湯、暑い時は氷を入れたり・・」は、日本と同じですね。   「昔ながらの水車と石臼で挽いた粉は水を入れるのに時間がかかります。今は工場で挽くので水が入りやすい。 外国からの輸入小麦粉は作業がしやすいけれど、ここの地元の粉は捏ねるのにも時間がかかる。でも、味と香りが違います」   と説明しながらも、たたんで丸めて打ちつけて、たたんで丸めて打ちつけて・・たたんで・・と手を止めないマヌエル先生。 けっして手の甲で生地を向こう側に押したりはしない・・。(これも日本の小麦のパンと同じだねえ・・) 「ヨーロッパでは、パンは穀物を食べるものなのです」   「発酵の加減は人ぞれぞれ。発酵を長く取ると苦くなるので、発酵があまい方がわたしは好きです。」と、 そうなんです。長時間発酵をとると、生地中の糖分が消費されちゃうから、粉の甘味も薄れてしまう。 旨味と甘みのバランスがとれたところ・・・これ・・なんですよ〜〜。マヌエル先生!さすがです。   と、とうもろこしのパン、ブロアを、そっと丸めて板に載せてオーブンの上に載せておく。 「とうもろこしのパンはグルテンが少ないのでそっと扱います。発酵がすすむように温めたオーブンの上に載せておきます」と   う〜ん。ここは日本の家庭のパン焼きでよくみかける技と同じだ! それに、ブロアは、ポルトガルのポルト郊外のパンに似ている。 やっぱり地続き。どっちがどっちに伝わったんだろう・・。   ロスカは夕方5時ごろ、ハムとチーズでたべて小腹のたしにするのだそう。 とくに子どもたちはおやつに。   そして、ボジャのパン。これはバゲットのようなもの。 水分が多いので消化に時間がかかって、胃腸の弱い人には向かないのだそう。 中身がしっとりとしているので、シェフはこっちの方がお好きなんだとか。 500g強力粉(輸入)、300gガリシアの地元の粉、200gライ麦粉、と700gの水、イースト20g、塩20g。 水分が70%(ロスカは60%)だから、もっちりするのね。   ボジャのパン生地で3種のカタチをつくってくれました。 先が尖ったバケット型(先が尖ってるのがこの地方では人気で特徴) 丸いドーナツ型(ロスカのカタチ) そして、お団子頭がポコンとのっかったMOLLETE と、教えてくれたパン。   このブリオッシュ・ア・テットのようでもある、ポコンと頭が乗ったカタチもポルトガルのパンにある。 どうやって頭の部分をつくるのか・・とってもギモンだった。 でも、シェフが手をとって教えてくれましたよ。 ぎゅっと生地の一部をつかんで、ブランとさせて、下の生地とくっつけたまま、下の生地をぐるぐるっと廻して、ちぎれそうになったら ポンって手で掴んだ部分の生地を載せるの。 やってみせてもらったけど、難しい・・・。スミマセン、ブキッチョで。