ワルン・ロティ日記4

ワルンロティ日記5が始まりました。今後ともよろしくお願いします。
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2018.10.22

クレタ島のムール貝+「まなぐ」に励まされて

8月のお話し。 8月29日、クレタ島2日目の夜。 昼ご飯を、トマトのライス詰め、そのあと羊農家さんの羊ご飯を食べたけど、 やっぱり食べたい夕ご飯+ワイン。   ハニアの夜は最後だしね。 それで向かったのは、前日に一人で食べたあのお店。 雨の心配もない、ハニアの夜は、いつもの賑やかさを取り戻していて、 若いひとや地元のひとや、ヨーロッパ系の観光客でにぎやか。 不思議にアジア系の観光客はみかけない。日本人も、わたしたちのツアーメンバーしか・・みえない。   賑わってたレストランも、昨日のおじさんが、がんばってテーブルをつくってくれて、みんなで乾杯。 なんにんか一緒だったけれど、結局は他にゆかれたかたも、このお店にもどってきて。 テーブルごとにニコニコご飯。   魚の焼いたのに、タコのグリル、ムール貝に、サガナキ(魚介の煮込み)・・・ 夜の海を背中に、ハニアの素敵なご飯。   クレタ島のハニアは、とってもよかったと、みなさんおっしゃってくださって。 お薦めですね、ハニア滞在は。     少し涼しくなって、ワルンロティにも久し振りのお客様たちが戻ってきてくれています。 ああ〜やっと、いつもの秋が来るかなあ・・と、ほっとしていたら、開店ラッシュです。 なんと、隣町の大岡山に、新しいパン屋さんが、11月にはオープン、 そして、洗足にも、1件できるようです。   すごいなあ〜、パン屋にとってラクな時代じゃないのに、 1件構えるって。 週3日でもフウフウ言ってる自分としては、 新しい店に意気込む彼らはあまりにもマブしくてうらやましい限りです。   一軒つくってスタッフいれて・・これは子育て中にはできなかったこと、 でも、16年目にして、子供の手が離れて、じゃあ1軒やってみる?と、言われても、どうかなあ・・。   う〜ん、う〜ん。。。   と、ふと、昭和30年代の岩手の写真集が目にとまりました。 ずっと棚のホコリをかぶっていた写真集「まなぐ」。三上信夫氏という岩手で小学校の教師をされてた方の白黒写真集です。 ものすごく貧しかった時代の岩手の農家、その子どもたち、お年寄りたちを写真に収めています。 巻頭の岩手大学の教授松本博明氏の言葉がとてもいい。   もともと多様な作物を少品種づつ生産することでで岩手の農業は天災に備えてきたところが、 時代が画一的な経済論を打ち出すようになって・・貧困が生まれ・・ 「もちろん土地の生活智とは、逆に因習となって近代化をはばむことがある。」   なんだろう・・この言葉たち、と、三上氏の写真に、一気に励まされました。   一軒かまえるということは、いわゆる現代の製パン用機械を整えた設備を使ってのパン焼きが要求される。 これは、自分の「生活智」から生まれたような手造りの原点のようなパンから離れてしまうことになるのではないか?   ・・・ということで、相変わらずマイペースでゆくことにしました。 この気の弱さと、ノウ天気さを、ワラってやってください。